「古民家暮らし」を実現させるには?
▼空き家問題対策となる古民家のリノベーション
現在日本において非常に深刻な問題となっているのが空き家の増加です。
空き家は地方の過疎地だけでなく都内にも数多く存在しており、放置をすることにより防犯・防災に大きな問題を生じさせることになってしまいます。
空き家となってしまっている住宅の中には、昔ながらの工法を用いた独特の構造をしているものも多く、新築で作られる住宅とは違った味があります。
沖縄に観光に行くとそうした古民家をカフェや民宿として改築した施設を数多く見かけることができ、再生の仕方によっては新築以上に居心地の良い空間として使用をすることが可能となります。
現在空き家対策と地域の活性化を兼ねて、自治体が主導する「古民家リノベーション」が各地で行われています。
その取組の代表的なものとして「空き家バンク制度」というものがあります。
「空き家バンク制度」とは全国の市町村のうち約6割が実施している施策であり、それぞれの地域にある空き家物件情報を地方公共団体が運営している公式サイトに記載するというものです。
行政が地元の人達から寄せられる空き家情報を集約して売買や賃貸を仲介することにより、貸し手も借り手も安心して取引をすることができます。
実際に空き家バンクを利用して地方で飲食店やオフィスを開いている人も多く、さまざまな形で若い世代が古民家を利用するようになっています。
▼移住促進サポートプランについて
空き家バンクを活用したもう一歩先の取り組みとして「移住促進サポートプラン」があります。
「移住促進サポートプラン」とは長野県佐久市が行っている地域の古民家へ移住してくれる人を募集するもので、先に申請をすることにより移住にかかる費用の補助を受けることができます。
具体的には佐久市に移住する場合の住居取得費や中古住宅の改修費、新幹線通勤定期券購入費を補助するというものです。
補助金の交付には一定の条件があるため全員が必ず受けられるというわけではないのですが、ここまで手厚い補助をしてくれる自治体は少ないので地方移住を考える人にとっては貴重です。
古民家はそのまま使用をするとなると耐震性や住宅設備に問題があるのですが、移住前にリノベーションをすることにより住みやすい住宅にしていくことが可能となります。
古民家は高い天井や広めの間取り、古い木目をそのまま室内に生かしたインテリアというのびのびとした印象があります。
個人住宅としてだけでなくシェアハウスやコワーキングスペースとして活用する事例もあり、地方で生活をする人のスタイルに合わせていける柔軟性もあります。
田舎暮らしならではの不自由もまた楽しみの一つとなりますので、興味のある人は自治体の取り組みを調べてみるとよいでしょう。