バリアフリーな家作りのアドバイス
▼住環境のバリアフリー化とは
20~30代前半くらいに住宅を購入した人の場合、ちょうど定年を間近に控えた60歳前後くらいの時期に建て替えの必要を感じることになります。
このときのリフォーム方法として強く推奨されるのが住宅全体のバリアフリー化です。
バリアフリーリフォームは国土交通省が推奨しているものであり、既に介護保険を受けている人ならば保険対象となるだけでなく、自治体によっては独自の補助支援を受けることもできます。
介護が必要な段階になってからリフォームをするとなるとかなり急いで準備をしなければいけなくなるので、できれば最初に立て直しや大規模修繕が必要になったタイミングでバリアフリーリフォームを考えるのが便利と言えます。
ちなみにバリアフリーとよく似た言葉に「ユニバーサルデザイン」というものがあります。
バリアフリーが「障害(バリア)を持つ人が自由(フリー)に使える」という意味なのに対し、ユニバーサルデザインは健常者を含む全ての人が使いやすいデザインをしているという事を言います。
一般住宅においては障害がある人でも自立した生活が送りやすいように手すりや傾斜をつける工事となるので、ユニバーサルデザインよりもバリアフリーという言葉の方がふさわしいと言えます。
▼具体的なバリアフリーデザイン
バリアフリーデザインによる住空間設計の基本は、車椅子などを使用しなければ自立できない人であっても使いやすいように補助具が付けられているということです。
古い日本家屋などは、部屋と部屋の間の敷居に段差があったり、トイレが和式であったりと体に不自由がある人にとって使いにくい場面が多々あります。
重点的に直すべきポイントとしては「玄関」「廊下」「階段」「洗面所・トイレ」「浴室」「台所」が挙げられます。
玄関から門戸までのアプローチでは、できるだけ高低差をつけないよう緩いスロープにし車椅子での移動をしやすくします。
出入りしやすいように玄関の扉自体を大きめにして開き戸ではなく引き戸にするということもよくある方法です。
廊下は住宅内でも転倒事故が起こりやすい場所であるため、滑りにくい床材にするとともにつかまって歩けるように手すりをつけます。
トイレは屈んだり立ち上がったりの動作がしづらい和式ではなく、広い空間のある洋式が望ましいでしょう。
洗面所など水場では姿勢を変える必要があるため、直立しやすいように手すりや体を支えられるポールを設置しておきます。
浴室は介護をする人と一緒に入れるようにできるだけ洗い場を広く取り、車椅子でも入れるように脱衣所と浴室の段差をなくします。
台所では車椅子のまま料理ができるように調理台を低くしたり、収納棚を回転式にして高いところにものを置かないようにします。